ものづくりの誇りと技術

見えないところに堀越製作所

船の会社の商品「碇のモーター」

  • 堀越製作所
  • 油圧モーター

あの大きな船を支える、小さな部品の話

大海原を航行する大型船。
その全長は100メートルを超え、重さは数千トンにもなる。
そんな巨大な船が、確実に停まることができるのは、「碇(いかり)」があるから。
その碇を上げ下げするモーター部品を、私たち堀越製作所が作っています。

船の安全を支える「見えない部品」

碇を見たことがある人は多いと思います。船のマークとしてもよく使われる、あの大きな鉄の塊です。

でも、その碇を動かす仕組みは、あまり知られていません。

船の甲板の下には、「ウインドラス」と呼ばれる機械があります。これは、碇を巻き上げたり、下ろしたりするための装置。重さ数トンにもなる碇を、油圧モーターの力で動かしているのです。

その油圧モーターの心臓部とも言える部品。それを堀越製作所が製造しています。

大きな船を支える、小さな精密部品

油圧モーターの部品は、両手で持てるくらいの大きさです。でも、この部品が、数トンの碇を動かす力を生み出しています。

求められるのは、ミクロン単位の精度。少しでもズレがあれば、油圧が漏れてしまい、碇が上がらなくなってしまいます。

船が港に入るとき、碇が下りなければ停泊できない。船が出航するとき、碇が上がらなければ出発できない。

「この部品ひとつひとつが、船の運航に欠かせない。だから、絶対に不良品は出せない」

そんな緊張感を持って、一つ一つ丁寧に加工しています。

ダクタイル鋳鉄という、難しい素材

この部品に使われているのは、「ダクタイル鋳鉄」という素材。

普通の鉄よりも強度があり、粘り強い。だから、高い圧力がかかる油圧部品に最適なのですが、その分、加工が難しいのです。

硬くて、刃物がすぐに摩耗してしまう。切削条件を少しでも間違えると、仕上がりが悪くなる。

堀越製作所は、このダクタイル鋳鉄の加工を得意としています。長年培ってきた技術とノウハウで、高精度な部品を安定して製造しています。

NC旋盤で「四角いものを削る」技術

NC旋盤は通常、丸いものを加工する機械です。しかし、堀越製作所では、旋盤で「四角いもの」を加工する技術を持っています。

四角いものを旋盤で加工する際、最も難しいのが「中心を出すこと」。中心がズレると、精度が出ません。

そこで、堀越製作所では専用の治具を開発。この治具を使うことで、四角い部品の中心を正確に出し、旋盤で高精度に加工することができます。

一見不可能に思える「旋盤で四角いものを削る」。それを可能にしたのが、堀越製作所の技術力です。

「見えないけど、大事な仕事」

製造を担当する技術者に話を聞きました。

「自分が作った部品が、実際の船で使われていると思うと、誇らしい気持ちになります。

普段、船を見ても、碇を動かすモーターなんて見えません。でも、その『見えないところ』で、私たちの部品が船の安全を支えている。 それが、この仕事のやりがいです」

小さな部品が、大きな安心を届ける

大型船は、物流の要です。食料品も、工業製品も、多くのものが船で運ばれています。

その船が、安全に航行できるように。確実に港に停泊できるように。

堀越製作所の部品が、「見えないところ」で支えています。

この記事の製品

  • 用途:船舶用ウインドラス(碇巻き上げ機)の油圧モーター部品
  • 加工内容:CNC旋盤加工、精密内径加工
  • 精度:内径公差 ±0.02mm以内
  • 使用される船:大型貨物船、タンカー、客船など

堀越製作所の強み

  • ダクタイル鋳鉄の加工に特化した技術
  • ミクロン単位の精密加工
  • NC旋盤で四角いものを加工する技術(専用治具を開発)
  • 小ロット〜中ロット生産が得意
  • 品質管理体制